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☆目に見えないから困っちゃう、ノイズって奴は!!!! こんなたちの悪い不良とこんな付き合い方があるなんて! しめたものだ! 「アースとノイズについて」ワークショップレポート! 6月22日に 油原雄二・田中和夫・児玉基男(敬称略)を講師におこないましたワークショップより抜粋で報告します。 当日はアース線やアース付き3Pケーブルの問題などで会場の皆さんから質問や疑問がたくさんあり、その中からノイズについてを重点的に報告します。 ☆ ノイズの発生と発生源 【現状は?】 現在のコンサート・展示会等では、照明電源を扱う設備に対して、ノイズの発生源は「おまえだ」とターゲットにされた方も多いはずです。それらの発生源は調光ユニット、フォロースポットライト等にあり、電源の波形を歪ませたり、またそれらがサージ電圧をのせ、他の電気器具に悪さをしているのが現状です。しかし、仕込み作業など、現場の進行状況を優先して解決できずにいることも無理もない話で、現場でのノイズに対しての対策・予防は時間の制約上、完璧に行われることはほとんど不可能と思われます。 【照明のディジタル化とノイズ】 電気を扱う者として信号のディジタル化は、完璧な仕事をする上で早く・簡単にする反面、目にみえないノイズに悩まされることが多くなってきました。そこでノイズの発生源であるノイズを起こす原因を探すことよりも、自分にノイズがのらないようにディジタル信号を扱う側から対策を検討することが、最良の方法です。 【照明器具の多様化とノイズ】 現在の照明等を使用している会場では、ほとんどの機器がディジタル化され、微弱電圧で制御しているため、あらゆるノイズに影響されやすく、さらに放電管を使用しているライト類が多くなってきている現状を合わせて検証すると、発生源を探すことはとても不可能な状態になっており、結果として、ノイズから自分を自分で守ることがかなり重要となります。また、そのことでメーカーと連携してノイズに強い製品を産むことにもつなげなければなりません。 たとえば調光ユニットを選ぶ場合は、コイル線が太く、トロイダルコイルの大きい製品、調光操作卓は電源部分が別系統に隔離されている製品が望ましいと考えます。最近では、電圧事情の異なる海外製品が多くなっていますが、ノイズに影響されないようにするため、必ず規定入力電圧を守ることも大事な要素です。 ☆ ノイズの種類と対策 ノイズの種類には外部要因と内部要因とがあります。 通常、何もなければ会場や電源車の出力電圧はA・Bの波形のようにサインウェーブをしています。 内部的要因のノイズでは、グラフDのような波形になり、その主な原因に、調光ユニットでの負荷の増減によるサージ電圧としてのノイズが一番多く考えられ、ただこれらは50〜60Hzの低周波であるため、以外と除去することが容易です。その方法としては複巻トランスを電源線に挿入すれば、ほとんどの場合、解決してしまいます。 また、会場電源と電源車の電源を同時に使用する際の注意事項は、基本的に同じ周波数で受電することが原則です。例えば、使用する電源がそれぞれ違う周波数の場合には、ライトが勝手に点滅したり、フェーダを上げもしないのに点灯しているトラブルが起き、ほとんどこれらが原因として上げられます。この現象を防ぐには当然ながら双方の出力している電源ケーブルを30p以上、できるだけ離して使用する必要があります。 外部的要因のノイズの中では高周波ノイズがかなり厄介で、特に照明コントロールブースに於いての高周波対策は、ノイズを受けやすい電子機器類だけ電源を分離して供給することです。今後は出来るだけ調光操作卓、コンピュータ機器をまとめて、UPSを通じ電源を供給させることが、外部からのノイズを遮断する方法として必要になるでしょう。 上記以外に上げられるノイズとして、共振障害があります。普通、減衰して問題にならないノイズが大きくなってしまうのは、回路に取り付けたコンデンサ(ノイズフィルターも同様)がインダクタンスと、ある周波数で共振して、それが本格的なノイズとなってしまうからです。従って、コンデンサはむやみに取り付けないことが理想となります。 次に問題なのは外部要因としてのノイズですが、キセノンランプ(入切時)・ムービングスポットライト・モーター類(入切時)・無線機・携帯電話等、これらは高周波となって電磁波障害となり、機器に対して機能を停止させてしまいます。さらに厄介なのは、それ以上に電磁波の強い雷などによって電波ノイズ障害を起こすことがあります。これは近くにある導体にサージ電流となって飛び込んできますので、かなりな影響を及ぼすことを想定しておく必要があります。Cグラフのような波形になって突発的なサージノイズ電圧がコンピュータを停止させたり、時として破損させたりします。
高周波ノイズにシールド線はほとんど効き目がなく、撚り線を必ず使用すべきでしょう。またフェライトコア(フェライトヒューズ)を用いて高周波ノイズのみを減衰させることは有効で確実な方法です。 TDK製PE22 :主電源回路使用
TDK製ZCAT3:微弱電圧回路使用
外部要因として他には、静電気による場合があります。特に乾燥した室内で起きやすく、弱電流ではありますが、8000V位発電してしまうことがあります。しかし電流は少ないので安全と思われがちですが、この静電気が低い電位の所へ、瞬間にあらゆる導体を通って流れて行き、その間にあるIC等を壊したり、またデータの読み取りの誤動作が起きることになりかねません。従って、対策として、調光操作卓の下に静電マット、例えば帯電防止マット(厚さ2mm 電気抵抗9MΩ)を敷き、卓本体のアースを必ずとるようにすることです。冬の乾燥した季節など、またホテルなどの静電気の起き易い環境では、このような対策を習慣づけることは、オペレーターにとって不安解消につながります。ご存知の通り静電気は人の体や衣服に帯電し放電することが多いからです。 その他の要因として、電子機器を製作する上でノイズ発生源をやむを得ず取り付ける場合には、その部分全体を銅板で作成した遮蔽ケースで覆うことが望まれます。 これまで説明しましたノイズ等は目に見えないため、これほど厄介なことはありません。最初に説明したように照明機器の設備の際に、出来るだけノイズを受け付けにくい状態、環境にしていくことを心がけたいものです。 ☆ アース対策 設備を考える場合、第一の対策として必ずアースを取ることです。ほとんどの会場電源は3相4線ですが、電源を取る(受電)場合は必ず3相5線として配線をし、またそのアースの取り方は、照明機器のなるべく近くでアースを取り、その他、照明以外の機器とは別にアースの配線をします。そしてそのアース処理は、基本的に第2種接地アース(線の色は緑色)とし、電源ケーブルと同等の太さにて配線すべきです。電気を使う側も電気を提供する側も安全対策として、以上のことを守る必要があります。 アースを取ることは単にノイズ防止というだけではなく、感電防止という重大な意味を合わせて考えて下さい。 ☆ 接地・ノイズカットトランス・ UPSの解説 ●接地工事 電気設備技術基準(第18条)では、接地工事(アース)を次の4種類に区分しています。 (a)第1種接地工事 10Ω以下 (b)第2種接地工事 変圧器の高圧側または特別高 圧側線路の一線接地電流のアンペア数で、150を割っ た値に等しいオーム数。ただし、単独接地の場合は 5Ω未満の値であることを要しない。 (c)第3種接地工事 100Ω (d)特別第3種接地工事 10Ω 《接地電極の種類と工法》 前節の接地工事は、技術基準に適合する接地抵抗を有すること、その性能が長年にわたり低下しないこと、最も経済的な設計であることを満足させるように行われているが、常時電流を流す接地電極は、上記のほかにその付近の地面の電位の傾きにより人畜に危険のないよう留意することと、その消耗速度も考慮して対策をたてる必要がある。人畜ことに馬にとって危険な電圧は6Vとされているので、道路そのほか人畜の通行する可能性のある場所では、条件の悪い雨天の日でも地面電位の傾きを3V/m以内に制限するのが適当である。接地電極材料としては銅または鉄の板・管・棒・線のほか、ときには黒鉛・炭素の類を主体とする板または棒も使用される。これらを埋設するにも、水平にあるいは垂直に、また単独あるいは並列にといったように種々あるが、工法・材料ともにそれぞれの施設目的と現場の条件に応じて、最も経済的なものを選定すればよい。 一方、土壌の抵抗率が大きい場合、また2〜3本の接地棒などでは小さな接地抵抗が得られない地域では、ベントナイト・硫安などを用いて、土壌の改良によって接地抵抗の低減をはかっている。 《並列接地電極の接地抵抗》 接地電極を2個並列に使用する場合、その離隔距離は2m以上とすることが一般に推奨されている。 《深打電極》 最近、直接接地系の第2種接地工事、多重接地系の接地工事とか数多くの箇所に低抵抗の接地工事を要求されるようになった。接地抵抗値を低減させるには、埋設深さを深くするのが効果的であることが多い。諸外国では古くから実用化されているが、わが国においても実用化されるようになった。 《水道管接地》 欧米においては古くから実用化されているが、わが国においてはほとんど採用されていない。しかし技術基準第21条においては地中に埋設され、かつ大地との間の電気抵抗が3Ω以下の値を保っている金属管水道管路は、水道管理者の承諾を得て、これを第1種接地工事・第2種接地工事・第3種接地工事・特別第3種接地工事および需要場所の引込口接地工事とすることができると規定している。 (参考文献:『電気工学ハンドブック』) ●ノイズカットトランス性能 絶縁変圧器やシールドトランスでは、1次コイルにノイズ電流が流入したときは、これが2次コイルに誘導してしまいます。つまりノイズを防止することができないために、今日一般の高周波ノイズに対してはアース処理をしたノイズ防止の作用も損なわれて、実用効果の高いノイズ防止素子とはならないでいるということです。 しかし、基本波電流にノイズが重畳して1次コイルに流れたとき、基本波成分はそのまま2次側に誘導しますが、ノイズ成分は誘導しないものがあったならば、それは2線路間に不平衡が存在しても、2次側にノイズが発生しなくなり、すべてのモードの導線ノイズが防止できる有能なノイズ防止素子となり得るはずです。そして直流的な絶縁機能と合わせて、極めて利点の多いノイズ防止素子となることができます。 ノイズカットトランスは数kHzから防止効果が発生して、10kHz以上において十分、実用の域に達します。 1次側に侵入したノイズと2次側に漏れ出たノイズの比が、防止効果の高まる帯域では−60dB〜−80dB、物によっては−100dB以上の性能を示します。そしてこのノイズ防止の性能により鉄心をアース処理したノイズ防止はさらに高い性能を示し、もっとも1次側線路が不平衡の場合、つまりどちらか一方の端子のみにノイズを印加した場合でも、1×40標準衝撃波(人工雷)では−100dB〜−120dB(1/106)という値を示します。「ノイズ遮断」と呼ぶに足る性能です。 その結果、ノイズカットトランスは、もっとも実用効果の信頼できるノイズ防止素子となります。 ● UPS(無停電電源装置) バッテリーの容量で停電使用時間は違いますが、5分〜10分位です。UPSは無停電電源の特徴だけではなく入力電圧の変動(±10%)にも強く、当然ノイズ防止回路を備えています。以下に送電形態別に特色を説明します。 《常時商用給電(出力波形 矩形波)》 商用電源が正常時は、万一に備えて待機。瞬時停電、停電など商用電源に異常が発生した場合には、ただちにバッテリーから電源(電力)を供給します。低価格で、小型、低騒音、省エネタイプのため、ワープロ、パソコンをはじめ、レジスタ、FAX、電話主装置などに最適です。ただし波形が矩形波なため、機器によっては使用不可能なものもあります。 《常時インバータ給電(出力波形 正弦波)》 商用電源が正常時は、商用電源と同期しながらインバータを通して負荷に安定した電力を供給。電源にトラブルが発生次第、無瞬断でバッテリーから電源(電力)を供給します。1次側にノイズカットを備え、電源に高い精度・品質を要求されるOA・FA機器からVAN、CIMそして高度なネットワークなどに最適です。価格が高いのが欠点ですが照明設備にはこれが最適で、使用電気容量に応じて機器を選択すべきです。 ![]() このようにノイズとその発生源は身近にあり、対策が難しいものです。まずは“アース線を引く習慣”が対策の第一歩です。ノイズフィルターやUPSの使用は、今後ディジタル化が進む照明業界では必要になってきます。アース線の太さ等については現在、劇場等電気設備調査研究委員会の審議会で検討されているようです。中間報告など出ましたらこのページで紹介していきます。 ☆WLF'96特別企画 “ライティングシーンレポート”♀ これはノイジーゾーンの出展者の方にご協力いただき、今回のコンセプトの紹介や仕込みの説明などを聞かせてもらい、質問にも応えていただきました。 伊橋三幸・青野時彦・小林光四郎(敬称略) 以上の方に照明デザイナーとしてのお話をいただきました。 堀田豪さんには演出家として将来的なシステムの展開や、映像などを含めたトータルなビジュアル演出の中の照明等についてお話していただきました。 |